工場の敷地内でジャガイモを収穫する従業員=いずれも福崎町西治

工場の敷地内でジャガイモを収穫する従業員=いずれも福崎町西治

廃材のチップを発酵させた堆肥

廃材のチップを発酵させた堆肥

工場の敷地内でジャガイモを収穫する従業員=いずれも福崎町西治
廃材のチップを発酵させた堆肥
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更新日: 投稿者: hyogo-sdgs

特製堆肥 野菜どっさり 木製廃材のチップ活用 従業員収穫、福祉施設に

 福崎町の福崎工業団地に工場がある塗料メーカー「ロックペイント」が、古くなった木製パレットなどを粉砕して堆肥化し、工場敷地内の畑で野菜を育てている。この冬、高齢者や障害者らの従業員が初めてジャガイモを収穫し、町内の福祉施設に届けた。(吉本晃司)

 同社は同工業団地に二つの工場を持ち、従業員約50人が働く。うち10人は高齢者や障害者、女性が占める。堆肥化や野菜の栽培は業務の合間に行っている。

 同工場では2年前から、不用になった荷役用の木製パレットや植栽の枝くずを砕き、チップを地元の営農組合や特別支援学校の農業実習用などに提供している。持続可能な開発目標(SDGs)や地域貢献をさらに進めようと、敷地内の未使用地100平方メートルに畝を作り、チップや堆肥を活用してジャガイモ、タマネギ、白ネギを育てている。

 9月に植えたジャガイモは12月に収穫期を迎え、昼休み前の約1時間、約10人が手作業で掘り出した。町福祉課を通じ、その日のうちに約8キロを近くの障害者支援施設もちの木園に届けた。

 収穫に参加したパート従業員の内倉香さん(69)は「想像以上の出来栄え。施設に届けられ、おいしいと言ってもらえたらうれしい」と話していた。

 福崎の工場では、特別支援学校の生徒や定年退職した高齢者らを採用し、従業員の多様性も広げてきた。昨年3月まで工場長を務めた祖父元恒昭さん(62)は「将来、生産人口が減ってくると私たちも助けてもらわなければならない。みんなで野菜作りをして互いに理解を深めることもその一環。収穫作業はいいスタートを切れた」と話していた。

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