「SDGsによる変革」を経営の利点に 中小企業の取り組み推進へ、神戸でフォーラム
中小企業のSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みを推進するフォーラムが21日、神戸市内であった。専門家が現状と課題について基調講演。兵庫県内の先進企業が取り組みの意義と経営への利点を伝えた。
県、県商工会議所連合会など地元経済7団体の共催。県は今月、中小企業を対象にSDGs認証事業を始め、周知のため企画した。
冒頭、斎藤元彦知事は「県政の一つの柱としてSDGsの裾野を広げていきたい」とPR。慶応義塾大大学院政策・メディア研究科教授の蟹江憲史氏は「新型コロナウイルス禍からの企業の業績回復・成長を見ても、SDGsによる変革は不可欠」などと講演した。
事例報告では、パン製造のケルン(神戸市東灘区)が、売れ残りのうち日持ちするパンを詰め合わせて割安で売る廃棄ロス削減の取り組みを紹介。壷井豪社長は「経営面で損はない。パンを処分するためのゴミ袋の購入も減った」とした。
また、蔵元の神戸酒心館(同)は再生可能エネルギーを活用したカーボンニュートラル(温室効果ガス排出の実質ゼロ)の日本酒製造、廃食用油リサイクルの浜田化学(尼崎市)は回収した廃食用油をハンドソープやバイオディーゼル燃料(BDF)として再利用する事業について発表。企業ブランドの向上など経営への利点を訴えた。