プラスチックごみ問題について学び、ヘチマの種を植え付けた児童=多可町加美区熊野部

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更新日: 投稿者: 神戸新聞社

ヘチマから学ぶ、プラスチックの環境問題 多可・松井小4年、スポンジづくりへ種植え付け

 プラスチックごみが環境に及ぼす悪影響を学び、環境に優しいヘチマスポンジを作る「ヘチマプロジェクト」の授業が松井小学校(兵庫県多可町加美区熊野部)であった。4年生21人が海洋汚染の現状を学び、プランターに種を植え付けた。

 県と「毛髪クリニック リーブ21」が企画し、「SDGs未来都市」に登録された県内自治体から対象校が選ばれた。環境問題を身近なこととして捉え、行動できる人材を養うのが目的。

 授業は19日にあり、同社の社員が講師を務めた。子どもたちに昔ながらのヘチマスポンジを示し、見たことがあるか尋ねると、児童は「見たことがあるよ」「物置きにあった」と元気よく答えた。社員は市販のスポンジがプラスチックで作られていることを伝えて「海に捨てられると非常に細かな『マイクロプラスチック』となり、浮いたり沈んだりしながら海を漂い続ける」と説明した。

 その後、児童はヘチマの種を植えた。育苗用のポットに敷かれた土を指先で軽くへこませ、そっと種を置いた。男児(9)は「ものすごい量のプラスチックが廃棄されてきたことに驚いた。ヘチマは使えなくなっても、土に返って肥料にもなる」と、まだ見ぬ果実に思いを寄せた。

 ヘチマは2週間ほどで芽を出し、学校の花壇で栽培。秋に再び授業をし、種を取った後で果皮をはいでスポンジに仕上げるという。

虹色の装飾