ユーハイムが有瀬小で出前授業 児童、バウムクーヘンに挑戦
「端っこ捨てずに活用するのいい」
お菓子を通じてSDGsに貢献するユーハイム(神戸市中央区)は、神戸市立有瀬小学校(同市西区伊川谷町)の5年生113人にバウムクーヘン作りの出前授業を行い、食べものを無駄にしない取り組みの大切さを伝えた。
SDGsの「貧困をなくそう」「つくる責任つかう責任」などにも合致した取り組みとして、贈り物の商品として基準を満たさないバウムクーヘンを特別販売し売り上げを寄付するほか、普段は捨てられてしまう両端を活用したデザートを空港ラウンジなどで提供。一部商品の販売用のトレイもプラスチックから紙に替えて、CO2を年間44トン削減している。
この日は広報主任の鈴木翔子さんがこうした取り組みや、バウムクーヘンがドイツ語で「木のお菓子」を意味することなどを紹介。続いて同社オリジナルの電気焼成器を使用してミニサイズのバウムクーヘン作りに挑戦した。
調理では「バター1、砂糖1、小麦粉1、卵2」という本場ドイツ直伝のレシピで配合された、製造時に食品添加物を使用していない生地が用意され、コック帽をかぶったマイスターの尾下学さんが作り方や「生地を混ぜ過ぎないように」などとおいしさの秘訣(ひけつ)を伝授。児童らは軍手にエプロン姿で6、7人ずつの班に分かれ、協力しながらバウムクーヘン作りに取り組んだ。
生地をお玉に取り、約200度に熱された幅15センチほどの芯棒全体にゆっくりかけていくと、調理室が甘い香りに包まれ、「いいにおい」と歓声が上がる。芯棒から伸びるレバーを回しながら、焦がさないよう慎重に焼き色を付けていく。1人1層ずつ順に焼き増していくと、形も焼き加減も異なるそれぞれのバウムクーヘンが完成した。
マイスターが完成品を芯棒から外して人数分に切り分けると、いよいよお楽しみの試食の時間。焼き立てを頬張った児童たちは、「おいしい」「ふわふわで柔らかい」とあちこちで笑顔があふれた。
「バウムクーヘンの端っこが香ばしくてとてもおいしかった。捨てずに活用するのはいいことだと思う」と松原杏子さん。谷口壮助さんは「おいしいお菓子を作りながらSDGsに取り組んでいてすごい。これからも両立させてほしい」と話していた。