古民家の大広間の落ち着いた雰囲気で「自然の循環を体験して」と話す奥田智恵子さん(左)とスタッフ=稲美町草谷

地元無農薬米で作ったパン、余剰野菜で作ったピクルスやスープ、サラダチキンなどが並ぶ「生米ぱんプレート」=稲美町草谷

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更新日: 投稿者: 神戸新聞社

余剰野菜を活用「循環カフェ」オープン 廃材リユース取り組む建築士、稲美で開業「食通じSDGs実感を」

 食を通じて持続可能な開発目標(SDGs)の理解を深めてもらおうと、「循環カフェ」が兵庫県加古郡稲美町草谷にオープンした。古民家の大広間を再生した店内では、余剰野菜を食材に活用したメニューを提供するほか、食べ残しなどをコンポストで堆肥化。食にまつわる自然のサイクルを実感してもらうのが狙いだ。

 余った建材や廃材のリユースに取り組む1級建築士の奥田智恵子さん(46)=明石市=が、SDGsの分かりにくさを解消する一助になればと、先月16日に開業した。店名は「循環体験リマテカフェ」。

 14畳の和室を改装して7卓のテーブル(全26席)を配した。同町産の無農薬米で作る「生米パン」を中心としたプレート(660円、飲み物付き1100円)は、近隣農家の余剰野菜で作ったピクルスやスープ、サラダチキンなどのヘルシーメニューだ。

 廃材れんがで、かまども製作。かまどご飯とみそ汁、生卵などのメニューを出すイベントもある。希望者はまきをくべる体験ができる。

 食べ残しや調理過程で出た野菜くずはコンポストで堆肥化。敷地内の畑で野菜の栽培を予定しており、肥料にするという。屋外にかわいい外観のバイオトイレがあり、敷き詰められた竹炭やわら、落ち葉などにより、排せつ物は分解され、土にかえる。奥田さんは「食が自然の循環で成り立っていることを実感してもらえたら」と話す。

 リユース店「リマテリアル」に併設。午前11時~午後5時。月曜定休。次回のかまどご飯イベントは4、24日午前11時半ごろからの予定。店の場所などはリマテリアルの公式サイトで。同店TEL090・2902・3292

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