女性が快適に働ける環境整備を SDGsに役立つ事業、西播磨の6社に提案 県立大環境人間学部の3年生
県立大環境人間学部(姫路市)の3年生が西播磨の企業6社に対し、持続可能な開発目標(SDGs)の視点を踏まえた事業を提案する発表会が、同市南駅前町のじばさんびるであった。三つの研究室の学生が各企業への調査を基に、ジェンダー平等や再生可能エネルギーの確保など、複数の目標を達成できるアイデアを伝えた。(田中宏樹)
同学部の教職員でつくるSDGsワーキンググループと龍野商工会議所、西兵庫信用金庫(宍粟市)が連携し、初めて実施。学生は各企業の事務所や工場見学、SDGsへの取り組みのヒアリング調査などを通じ、提案をまとめた。
増原直樹准教授のゼミ生は、金属製品製造会社「井河原産業」(たつの市)を担当。脱炭素に向けた取り組みなど環境面への意識は高いが、女性や若い世代から関心を高める方法を模索していると分析した。
同社ウェブサイトに女性社員の紹介がないとし、「インタビュー記事を載せ、女性が快適に働ける環境も整備すべき」と指摘。複数の事務所を1カ所に統合し、空いた土地に太陽光発電設備を設ける案も示した。
「女性活躍に向けた案は参考になり、進めたい」と同社の井河原敏夫社長(59)。発表した松林勇希さん(21)は「今後はSDGsを巡る動きが加速する。社会に出ても、今回の経験を生かしてアイデアを出したい」と意気込んだ。
高橋綾子教授のゼミで学ぶ前山颯汰(そうた)さん(21)はヒガシマル醤油(しょうゆ)(たつの市)に対し、NPO団体や大学と連携した食育イベントなどを提案。同社の浅井章一総務部長(60)は「具体的な形があれば提案してほしい」と呼びかけた。