キャベツやすじ肉などを混ぜた生地を鉄板にのせる児童たち=いずれも網干西小

喃風のSDGsプロジェクトの取り組み

喃風の社員が切り分けをサポート

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更新日: 投稿者: 神戸新聞社

姫路・網干西小で「喃風」が出前授業

お好み焼き作り指南 「苦手な野菜残さず食べる」

 調理実習を通して子どもたちにSDGsの大切さを学んでもらおうと、兵庫県内を中心にどろ焼き・お好み焼き店を27店舗展開する喃風(本店・姫路)はこのほど、網干西小学校5年生33人を対象にお好み焼き作りの出前授業を行った。同社広報部の宮本敬介さんらが講師を務め、児童たちは協力し合いながら調理から食事、後片付けまでを体験した。
 
 喃風では各店でSDGsプロジェクトを実践しており、授業の冒頭、宮本さんは「食品ロスを削減して地球環境にやさしいお店作りを」「みんなが楽しく、仲良く働ける職場」「ごみの分別で限りある資源を大切に」「地産地消を目指そう」といった目標や具体的な取り組みを分かりやすく紹介した。

 そしていよいよお好み焼き作りへ。エプロンと三角巾を身に着けた児童らは2人一組になって、まずは油をひいた鉄板を載せたガスこんろを点火。あらかじめボウルに用意された生地にキャベツ、イカの天かす、下味のついたすじ肉とこんにゃく、卵を入れてよくかき混ぜた。鉄板が熱くなると「山のような形にしてから平たくしてください」という宮本さんの指示を受け、出来上がった生地をボウルから鉄板へ慎重に落としていった。

 この日は店で使うプロ仕様のコテが用意され、焼く作業で大切なコテさばきを練習。「マイスター」と呼ばれるベテランスタッフの手本をまねながら、児童らは真剣な表情で両手に持ったコテを生地の下に左右からくぐらせ、コテの先端を合わせたら手首をひっくり返して生地を裏返しにする。

 「コテで生地表面を4カ所つつくと、蒸気が抜けてふんわりします」。そんなとっておきのアドバイスを受けて最後のひと手間を加え、仕上げにソース、マヨネーズ、青のり、かつおぶしをかけて完成した。

 それぞれの皿に取り分けた後、みんなで「いただきます」。テーブルのあちこちから「おいしい」の声が飛び交う。「ごちそうさま」の後は、使ったボウルやコテ、皿などを洗い、汚れたテーブルを布巾で拭いて、後片付けを終えた。

 振り返りの時間では宮本さんが「みなさんがこの授業でSDGsにつながるどんなことができたか教えてください」と呼びかけた。丸尾菜穂さんは「キャベツは苦手だが、お好み焼きに混ぜて食べたらおいしかった。家でも苦手な野菜を残さず食べるようにしたい」。また戸田愛翔さんは「みんなで協力して作ることができた。家でも作ってみたい」と話した。

 終わりに、一人一人にお好み焼きが上手に焼けた証しとして、SDGsの17色をあしらった喃風公認「お好み焼きマイスター」カードが配られた。

 「日常のささいなことからできるSDGsを実践していくことが将来のより良い世界、地球につながっていくことを今日の授業で伝えられたら」と宮本さん。また家庭科の後藤美穂教諭は「子どもたちが楽しみながらSDGsを学べたことが何より良かった」と話していた。

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