繊細な銀線細工フィリグリーの技術継承を 姫路の企業がSDGsを考えるイベント 神戸
「フィリグリー」と呼ばれる銀線細工の技術を紹介しながら「持続可能な開発目標(SDGs)」について考えるイベントが、神戸市中央区のパン・洋菓子店「フロインドリーブ本店」であった。フィリグリーのジュエリーなどを披露するショーや、SDGsをテーマしたミニシンポジウムが開かれ、経営者や会社員など約30人が参加した。
フィリグリーは、紀元前3000年にメソポタミア(現在のイラク)で生まれた。溶かして糸状にした銀をレースのように編んで焼き付け、造形する技術。すべて手作業で手間がかかることから職人が不足し、世界的に希少になっている。
イベントはフィリグリーを輸入販売する合同会社「フィリグリージャパン」(姫路市)が主催。同社は2020年設立で、伝統技術を後世に残そうと、インドネシアなどの工房からアクセサリー類を公正な取引で仕入れ、現地の職人らの生活を支援している。将来的には生産地の村に学校を建てることが目標という。23年12月からは芦屋市で、フィリグリーの技術継承を目的にしたスクールも開く。
ショーでは参加者らがモデルとなり、雪のような白い輝きが特徴の指輪やネックレス、髪飾りなどを披露。普段着や和装と組み合わせたり、オフィスや舞台などで使う場合を提案したりした。同社の松本佳子代表は「伝統工芸が途切れないよう、みんなで協力してSDGs(の達成)に取り組むことが大事」と話した。
ミニシンポには、フロインドリーブの岡崎三葉社長ら3人が登壇。岡崎社長は自社のフードロス削減に向けた取り組みを紹介した。
