豊岡 優れた技術やサービスで地域貢献 但馬産業大賞に5社選定
県民局 SDGs、働き方改革部門が新設
優れた技術やサービスで、地域振興に尽くした企業などを表彰する但馬県民局の2024年度「但馬産業大賞」に、但馬の5社が選ばれ、県豊岡総合庁舎で表彰式があった。同賞は本年度、持続可能な開発目標(SDGs)への貢献や働き方改革などを評価する部門を新設した。女性や高齢者らの働きやすさ、環境への配慮などで、優れた取り組みを紹介している。
同賞は07年度に創設された。優れた技術と自然との共生、ツーリズム、経営革新の4部門があり、17年間で延べ88社・団体が表彰を受けた。
今回から、ニーズ変化を受けて部門を再編。技術のほか、SDGsなどの「時代の先端を行く事業開拓」、多様な人材の活躍を目指す「但馬で働きたい優良企業」を新設。ものづくりや観光、雇用に詳しい7人の委員会が審査した。
技術部門で表彰を受けた豊岡市のかばんメーカー「由利」は、自社で一貫して担う製造や顧客管理、修理などの7工程について、それぞれの担当が情報や意見をやりとりし、製品の改善などに生かす独自の製造管理システムが評価された。
事業開拓部門は、環境配慮などSDGsの取り組みで同市内の2社を選んだ。包装材製造「丸真化学工業」は、ペットボトルや米ぬか、廃漁網を原料とするポリ袋など多様な商品開発を進める。かばん工房「D.L.P.」は、従来は廃棄していた但馬牛の皮を活用、畜産家や食肉センター、革メーカーと協力して但馬牛革の製品を生み出す過程が評価された。
但馬で働きたい部門は、2社が受賞した。朝来市のペットフード製造工場「ママキッチン」は、従業員の約7割が女性で、作業の身体的負担を減らす機械の導入などに力を入れる。保育園などを運営する豊岡市の「モリ・プランズ」も、基準より多めの人員配置などで定時退社や持ち帰り仕事ゼロを達成し、従業員らの満足度が高いという。
表彰式では、各社の代表らが取り組みを発表し「受賞を励みにこれからも製品開発に取り組みたい」などと意気込みを口にした。
