黒大豆枝豆やホウレンソウ…規格外の野菜、破棄せず商品化 コープこうべ「消費者につなげたい」
生活協同組合コープこうべ(神戸市東灘区)が、廃棄ロスなど食品産地が抱える課題解決に向けた商品展開を進めている。2021年の創立100年を機に設けた「コープNEXT100商品」。廃棄されてきた野菜を使った総菜など6品を開発し、今月には、生鮮初となる規格外の黒大豆枝豆を試験販売。購入者の反応も良いといい、今後も年4品ペースで新商品を販売する計画だ。
持続可能な開発目標(SDGs)を実践したいメーカーと、産地との橋渡し役も担う。養父市のホウレンソウの外葉を使った「ちぎり揚げ」は、カネテツデリカフーズ(神戸市東灘区)と共同開発。不漁でイカナゴの高値が続く中、くぎ煮文化を残そうと、代用品として、ちりめんじゃこも販売した。
黒大豆枝豆は、JA兵庫六甲(同市北区)からの相談を受けて商品化した。同JAでは袋詰めの際、さやが茶色かったり、粒が一つだけだったりすると規格外として廃棄される。その量は、納品量全体の3割に当たる年数十トンに上り、処分費用も生じている。
試験販売は今月2日、コープデイズ神戸北町(同)で実施。同JA職員も一緒に、規格外でもほとんどが食べられることなどを説明。通常品の3分の1程度の価格で販売し、計183袋が夕方までに完売した。
同生協は、購入者へのアンケートの反応は上々といい、来年以降、販売店舗や期間を増やす考え。NEXT100を担当する吉田智子さん(44)は「産地、メーカー、消費者の3者とつながるコープの立ち位置を生かせる取り組み。組合員の声も開発に直接、反映させている」と話す。