<脱炭素の暮らし方>自然に優しいキャンプのコツは
■たき火、燃やし尽くして灰に
アウトドアブームで人気のキャンプ。自然の中で過ごし、エアコンなどの使用を減らすことは脱炭素や持続可能な開発目標(SDGs)につながる。マナーを守り、環境に負荷をかけないキャンプ時間の過ごし方を心がけたい。
日本オートキャンプ協会によると、キャンプ人口は新型コロナウイルス禍で2020年に激減したが、21年は回復傾向を示した。手軽なレジャーとして親しまれる一方、利用マナーが問題視されることもある。
アウトドアライフアドバイザーの寒川一さん(60)=神奈川県鎌倉市=は「自然は循環する。次の世代もキャンプが楽しめる環境を残す意識が大切」と話す。
キャンプの醍醐味(だいごみ)といえばたき火。だが燃えかすを残して帰るのはルール違反だ。寒川さんは、灰が土に返ることで再び木が生える土壌が残せるとし、「どの程度の薪(まき)が必要かを逆算して考え、灰になるまで燃やし尽くしてほしい」と話す。
食事では、生ごみや食器洗剤の排出を極力抑えるのがコツ。「油を使う料理は控え、洗い物はしない。皿の汚れは紙で拭き取る、お湯で溶いて飲むなどの工夫を」と寒川さん。下処理は自宅で行い、ポリ袋に詰めたハンバーグや野菜を湯煎するのがお勧めという。
各メーカーも環境配慮の用品に注力する。コールマン(東京)は今年、ポリエステルなどの再生素材を使い、二酸化炭素(CO2)排出を減らしたテントや椅子の販売を開始。ロゴス(大阪市)は竹やトウモロコシを50%以上使用した食器や、ヤシ殻を燃料利用した炭などを商品化している。
兵庫県内最大級の品ぞろえを誇るアルペンアウトドアーズ明石大蔵海岸店(明石市)の壁谷真穂店長は「どうせならと、自然由来の用品を選ぶ客もいる。種類も今後もっと増えていくでしょう」と話している。