神戸経済同友会「多様性重視の施策を」 女性や外国人労働者の働く環境など、県と神戸市に提言
神戸経済同友会は19日、兵庫県と神戸市に対する2023年度の提言「ダイバーシティー&インクルージョン(多様性と包摂)で兵庫県を躍動させる」を発表した。女性や外国人労働者の働く環境に着目した施策を盛り込んだ。今回は初めて尼崎や丹波など県内7市長にも説明し、政策立案に生かしてもらう。
提言は、官民連携の進化▽女性が出産後も働き続けられる環境づくり▽外国人労働者が家族と暮らせるまちづくり▽外国人の滞在型観光-の4本柱。SDGs(持続可能な開発目標)に関する提言は3年連続で、今回は多様性に絞った。
短時間勤務やリモートワークを含む柔軟な働き方を広げるため、自治体へは一時保育枠の拡大などを提言。「女性らしい感性」「男は家庭より仕事」など、性別役割や無意識の思い込みをなくすため、幼児期からの教育や企業の取り組みが必要とした。
優秀な外国人労働者が日本で長く働けるよう、外国語に対応できる保育や教育環境の整備も指摘。体制を整えた企業を県が認定する制度も求めた。同友会が外国人労働者について踏み込んで提言するのは初めて。
楢木一秀代表幹事(神戸製鋼所顧問)は今月中旬、斎藤元彦知事に提言を提出。外国人が活躍できる企業の認定などに前向きだったという。楢木氏は「提言には県内の自治体に共通する課題もある。7市のトップに1、2月に直接説明し、ヒントにしてもらいたい」と語った。