子どもの居場所つくりたい ボランティアグループ「ふらっと・いかわ」
食事の提供や学習を支援
昨年7~10月にかけて募集した「わたしのSDGs宣言」で、「みんなで助け合える社会を神戸から発信していきたい」と投稿してくれたボランティアグループ「ふらっと・いかわ」(神戸市西区)会計・広報担当の北谷智子さん(53)に話を聞いた。
北谷さんは、同区で小学生などに食事の提供や学習支援などを行う「こどもの居場所サポーター」として活動。同グループは、コープデイズ神戸西(西区池上3)の「つどいの部屋」で「いこいこ・いかわ」という催しを毎月最終水曜日に開いている。
放課後、午後3時半ごろになると、伊川谷小学校の児童ら25人ほどが集まってくる。まず取り組むのが宿題。スタッフ10人のうち半数が子どもたちの様子を見ながら、質問に答えてあげる。また「いろんなことに興味をもってもらいたい」との思いから、運動遊びや手話、工作教室、草木染めにタマネギの皮を使うエコ教室などの体験の時間を設けている。
部屋にはキッチンも備えられ、残りのスタッフが買い出しをして夕食を調理。食材はコープこうべや押部谷町高和の農家から提供される野菜なども使う。体験が終わる5時半頃には室内がいい匂いに包まれ、お楽しみの夕食。至福の時間に子どもたちの笑みがこぼれる。
「ちゃんと作った季節の野菜は、子どもも『おいしい』『甘い』と言ってくれる」と北谷さん。「農家さんも『食べ助け。せっかく作った野菜を規格外だからといって捨てるより、誰かが食べてくれるだけで助かるんや』とおっしゃってくれて、いっぱいお世話になっている」と話す。
北谷さんは3年前、「子育て中の忙しいお母さんを応援したい」と一念発起し、西区社会福祉協議会が初開催した「こどもの居場所サポーター養成講座」を受講。ほかの修了1期生3人と、この活動を始めた。
子どもには大人の社交辞令や常識が通用しない。誠心誠意向き合わないと分かってくれないこともある。「だからこそ。子どもにとっては名前を呼ばれ、お手伝いをすれば『ありがとう』と言ってもらえる場所がうれしいんです。心が触れ合い、楽しく、安心できる。そんな居場所をつくっていきたいですね」