集めた古着を仕分けして並べた児童ら=和坂小学校

買い物客に古着の提供を呼びかける児童ら=明石市内(和坂小提供)

集まった古着を発送用の段ボールに詰める児童=和坂小学校

報告
更新日: 投稿者: 神戸新聞社

難民支援へ古着5000着回収 明石・和坂小5年生40人 戦争や貧困に思いはせ

 難民の子どもたちへ不要になった服を送る活動に、和坂小学校(明石市和坂2)の5年生約40人が取り組んでいる。寸劇をしたりチラシを配ったりして校区内から集まったのはざっと5千着。1日には、発送に向けて段ボール箱に詰める作業をした。教諭の河合健次さん(56)は「世界の戦争や貧困を学ぶことで、6年生の平和学習にもつながる」と話す。

■段ボール32箱分に

 衣料品店「ユニクロ」などを展開するファーストリテイリングと国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のプロジェクト。同小の5年生は、持続可能な開発目標(SDGs)に関わる「総合的な学習」の一環として取り組んだ。

 まず、7月にユニクロの社員による出前授業があり、難民やプロジェクトの狙いについて理解を深めた。その後、自分たちでもUNHCRの役割などを調べた。道徳の授業では、南米の民話「ハチドリのひとしずく」を通じ、自分たちにできる小さなことを積み重ねる大切さについて学んだ。

 今回の告知のポスターは、夏休みに描いた。9月には全校集会のほか、幼稚園や保育園で、世界の貧困などについて寸劇や〇×クイズをして、子どもたちや保護者に協力を呼びかけた。回収用の箱は10個を手作りし、これらの施設やコープこうべの店など5カ所に設置。地域の青空市などではチラシを配った。

 この日は、回収した古着を体育館の床一面に広げ、子ども服の春夏用と秋冬用、ベビー服の3種類に仕分けした。その後、1枚ずつ丁寧にたたんで発送用の段ボールに入れていった。集まった服は、最終的に32箱分ほど。26日に同小から発送し、今後、地域の人らに活動の報告もするという。

 乾貴仁さん(10)は「保育園とかで劇をしたのが楽しかった。難民の子どもが服に困らないようになればいいな」。新田彩葉(いろは)さん(11)は「劇では、難しい言葉を使わず戦争のことを伝えられるよう工夫した。こんなに集められてびっくりしたしうれしい」と話した。

虹色の装飾