規格外野菜で給食100人分 兵庫大栄養マネジメント学科生取り組み
県農高から譲り受けて調理
兵庫大健康科学部栄養マネジメント学科(加古川市)の学生5人が、廃棄予定の野菜を使って100人分の食事作りに取り組んだ。SDGs(持続可能な開発目標)をテーマにした給食管理実習で、野菜は県立農業高校(同市)から購入した。
「100人給食」と呼ばれる実習で、病院や介護施設などの特定給食施設を想定している。管理栄養士役の学生が、栄養バランスやコストを考えた献立作成、材料の調達やチェック、衛生管理などを担い、調理につなげる。約50人が履修。「減塩」「生活習慣病予防」など8テーマで各5、6人のグループに分かれ、考案したメニューを給食として提供する。
SDGs班は昨年から、県農生が育てた野菜のうち規格外の物などを提供してもらっている。今年も学生が同校に出向いて、小さすぎて売れないジャガイモやタマネギ、傷のあるトマト、巨大なキュウリを受け取った。
8日の100人給食では、栄養士役の同班5人を中心に他の班から12人の応援を得て、県農野菜を使った主菜「トマト入り肉じゃが」をはじめとするおかず4品とデザートなどを調理。使用しただしパックでふりかけも作った。実習食堂で給食として1食500円で販売。学生や教員から好評だった。
同班の学生は、県農生に野菜を育てる苦労や規格外野菜に対する思いを尋ねたほか、消費者庁の食品ロス削減推進サポーター講座も受講。給食当日は取り組みのまとめを掲示したほか、各テーブルに食品ロスについてのクイズを記すなどして理解を深めた。
3年の地行翔馬さん(20)は「いただいた野菜をおいしく、栄養のあるメニューにしようとみんなで考えた。将来は食材の無駄をなくす商品開発に携わりたい」と話した。
