「神戸の森林資源を次世代に」市新副市長に神戸大名誉教授の黒田慶子氏 SDGsに関わる政策の企画、立案担当
神戸市は6日、神戸大名誉教授の黒田慶子氏(67)を新たな副市長で起用する人事案を市会に提案し、全会一致で同意を得た。就任は来年1月1日付で任期は4年間。森林保全を研究してきた黒田氏は会見で「神戸の森林資源を次世代に手渡せるよう力を尽くしたい」と抱負を語った。
黒田氏は京都大大学院農学研究科を修了後、農林水産省に入省。独立行政法人森林総合研究所を経て、2010年から神戸大大学院教授を務めた。専門は森林病理学。昨春の退職後は会社を設立し、国産木材の流通促進などに力を入れた。
担当分野は持続可能な開発目標(SDGs)に関わる政策の企画、立案で部署を横断して受け持つ。同市副市長への学識経験者の起用は戦後初で女性は初となる。
黒田氏によると、久元喜造市長から10月中旬に就任を打診された。「予想していなかったが、森林資源の循環を進められると考え引き受けた」と振り返った。
多くの人工林は管理が行き届かず倒木や枯れ木などの問題が表面化。山の近さが魅力の神戸も例外ではないという。「森は手を入れないと維持できない。人との共存に理解が深まるよう取り組みたい」