農林漁業の持続可能性を考える発表が続いたシンポジウム=神戸市中央区下山手通4、兵庫県農業共済会館

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更新日: 投稿者: 神戸新聞社

クラファン使ったアイガモ農法のPRなど、事業者らが農林漁業のSDGs事例を紹介 神戸でシンポ

 農林漁業におけるSDGs(持続可能な開発目標)を考える「ひょうご農林水産SDGsシンポジウム」が神戸市内であった。先進的に取り組む兵庫県内外の事業者らが事例を発表。生産者や食品・流通業者らオンラインを含む約100人が参加した。

 県が取り組み拡大に向け昨年から開く。土壌改良や6次産業化支援を手がける農業コンサルタント「アグリデザインカンパニー」(静岡県)社長で技術士(農業部門)の山下雄さんが講演。「地元の祭りなど普遍的な行事と掛け合わせ、事業を一過性にしない。対象を絞り、介護用食品は商品が少なく需要が見込める」とアドバイスした。

 続くパネル討論では、環境に配慮したアイガモ農法に取り組む農事組合法人「アイガモの谷口」(兵庫県新温泉町)の谷口正友代表理事がクラウドファンディングを使ったPR法を紹介。「内容を分かってもらわなければお金を出してもらえない。過程や物語を伝えるのが大事」と話した。

 生活協同組合コープこうべ(神戸市東灘区)SDGs推進部の鬼沢康弘統括部長は「(理念だけでなく)経済的に成り立たないと続かない。コスト削減につなげるのがポイントになる」と解説。里山整備や間伐材の利活用を進めるNPO法人バイオマス丹波篠山(丹波篠山市)の高橋隆治理事長も登壇した。

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