神戸高専サマースクール ▼講座2 水晶振動子と電気石を使った実験で遊ぼう
神戸高専システム情報工学科 西敬生教授 明石高専電気情報工学科 秋山肇元嘱託教授 電気の力の多様性を学習
次世代を担う子どもたちに「ものづくりの楽しさ」を伝え、持続可能な開発目標(SDGs)にある「教育」と「技術」の達成につなげることを目的とした「ひょうごSDGsプロジェクト 神戸高専サマースクール」がこのほど、神戸市西区の神戸市立工業高等専門学校で行われた。夏休みの思い出作りや自由研究のヒントを得ようと小学4年生から中学生の子どもたち約40人が参加した。
講座「水晶振動子と電気石を使った実験で遊ぼう」では、神戸高専システム情報工学科の西敬生教授と明石工業高等専門学校電気情報工学科の秋山肇元嘱託教授が講師を務め、小学校4年~中学2年が参加した。
秋山教授はまず、センサーは物理的・化学的変化を電気信号に変換して数値として出力し、音、光、温度、磁気など多様な計測ができると説明。センサーと電気・電子技術は密接に連携しており、自動車やエアコン、スマートフォンなど日常生活に広く活用され「車にはセンサーが何百個も搭載されている」と述べた。
また、水晶などの結晶性鉱物や電気石は、力を加えると電気が生じる圧電性を持っており、不純物のない人工水晶を製造・加工してセンサーなどに活用していると話し「おもりを振り子のように揺らし続けるには適切なタイミングで力を加える必要があるが、これを電気の力で実現したものが水晶振動子」と紹介。電気回路と組み合わせることで特定の周波数で安定的に振動する特性を生かし、時計や通信機器などに利用されていると解説した。
このあとの実験では四つのブースに分かれ、それぞれ高専生が子どもたちをサポートした。Aブースでは、水晶振動子の端子を回路に差し込みオシロスコープ(電圧の時間変化を観測する装置)を用いて周波数と波形を確認した。Bブースでは、圧力センサーを指で押したときに発生する抵抗値の変化を数値で確かめた。また、センサーキットを使って、指で圧力をかけながら上下に動かすとLEDランプも動きに連れて点灯する様子や、周波数を変えることで音の高低が変化することを観察した。
Cブースでは、電気石、水晶、水晶振動子を顕微鏡でのぞきこみ、スケッチ。Dブースでは水晶の板を電極の板で挟み込んで押すとLEDランプが光る様子を、また、水晶玉を通して像が2重になることを観察し、水晶に複屈折性があることを確認した。
最後に秋山教授は、水晶振動子の技術を使って圧電超音波モーターの開発が進んでいる現状を紹介。「『なぜだろう』と感じる心から出発して、『どうしたら人を幸せにできるかな』と考えて挑戦するマインドを大切にしてほしい」と呼びかけた。
